Wednesday, June 15, 2011

全部、君だった。

いつの間にか降り出した雨の音
急ぎ足で行く季節の終わりを告げている
不意に窓を閉じかけた手が止まる
暫くは君の事思い出さずにいたのに

些細な事からの諍いは
何時も二人の明日を曇らせた

今ならあの夜を超えられるかな?
君の涙に答えられるかな?
胸も苦しくて張り裂ける程
全部、君だった。

互いの拭いきれない寂しさを
冷めた朝の光の中で有耶無耶にして来た

心にも無い裏腹な言葉で
わざと二人は傷付け合ったね

今なら上手に伝えられるかな?
何時も微笑みに応えたかった
胸も切なくて掻きむしる程
総て、君だった

時は静かに掛替えの無い物を
遠離って行く程鮮やかに映し出す

どんなにやるせない気持ちでも
どんなに明日が見えなくても
温もりだけを頼りにしていた

やがて雨音は途切れ始めて
街が俄に動き始める
雲がゆっくり滑り始めて
部屋は明るさを取り戻してく

風が優しく頬を撫でてゆく
全部、君だった。

雨も雲も街も風も窓も光も
全部、君だった。
冷めた朝も夜も微笑みも涙も
全部、君だった。

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